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PTIOの妨害除去方法について

亜硝酸イオンと発色試薬は反応してピンク色の色素を生成し、この時の吸光度を測定することで分析ができます。
一方、PTIOも発色試薬と反応して、かっ色の化合物を生成し、この結果ブランクが高くなります。
また、PTIOが共存するNOxの分析ではその吸光度は時間の経過とともに増加します。
従って分析精度を高める為には、冷却下で反応を行うことと反応時間を厳守する必要があります。
しかし、このPTIOを発色試薬と混合する前に、除去としてすることで、その影響を抑制することも可能です。
その方法は現在3つの方法が提案されています。


@ エーテルによる抽出除去

NOx捕集ろ紙抽出液 8ml にエチルエーテル 2ml を加え振り混ぜることで、
含まれているPTIOをエチルエーテル相に抽出除去できます。
上相のエチルエーテル相を分液除去した後、水相に発色試薬を添加すれば
ブランクを低くすることができます。


A L-アスコルビン酸やチオ硫酸ナトリウムによる還元除去

PTIOは青紫色をした酸化剤です。このPTIOを含む溶液にL-アスコルビン酸や
チオ硫酸ナトリウムなどの還元剤を含む溶液を添加することで、分解させる方法です。
しかし、実際の抽出液ではPTIOの残存する量が、測定場所や捕集時間によって異なります。
添加する還元剤は、亜硝酸イオンと発色試薬との反応を妨害する可能性があり
還元剤の添加濃度を調節する必要がありますので、実用的には適切でない場合が考えられます。


B フローインジェクション分析法(FIA)を利用する

カドミウムー銅還元カラムを組み入れたFIAを利用することで
PTIOの妨害除去が自動的かつ簡単にできます。
さらに迅速で高精度な分析ができますので、非常に有効な分析方法といえます。
PTIOは、まずカドミウム銅還元カラムを通過する時に、還元分解されます。
その後、直ちに自動的に発色試薬と混合されますので発色反応に妨害することはありません。